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隣地所有者に境界確認書の署名捺印を拒否され境界が確定しなかった事例

境界確定についての事例

こんにちは、はぎわら不動産㈱の萩原です。

鈴鹿市を中心に、土地売却・中古住宅売却・空き家売却など、不動産売却のサポートを専門に行っています。

今回は、隣地所有者が境界確認書の署名捺印を拒否し、境界確定が成立しなかった事例についてお伝えします。

境界確認書の署名を拒否されたことで境界確定が頓挫した

鈴鹿市の土地売買で隣接地との境界が不明瞭な土地がありました。売買契約締結時に「引渡し日までに売主の責任で境界確定を行う」との内容で合意し、その後土地家屋調査士へ依頼して境界確定手続きを進めていきました。

境界確定では、隣接しているすべての土地の所有者と境界地点を確認して合意する必要があります。今回の事例でも、私有地を所有している方や、道路を所有管理している鈴鹿市の担当者が現地にて集まり、土地家屋調査士の説明を受けながら境界確認を進めていきました。

今回問題となった隣地所有者は、相続で所有権を取得しており、「境界については図面にて後日確認する。」とのことで現地での境界立会いは不参加となっていました。

現地での境界立会いは問題なく進み、すべての境界について合意があったので、測量図を作成して、境界確認書に署名捺印すれば無事確定ということになりますが、土地家屋調査士が隣接地の所有者宅へ訪問して署名捺印を求めたところ、これを拒否されてしまいました。

公簿面積と実測面積に差異があって敷地面積が狭くなったわけでもなく、他にも問題があるわけでもなかったのですが、隣接地の土地所有者にとっては、その土地について利用しておらず、きっちり管理をしていないことを負い目に感じていたようで、境界確認書に署名捺印することで周りの土地所有者から何か(責任のようなもの)を求められることを嫌がったようです。その他、体調が安定していないようで気分的にも不安定な状態の時に訪問してしまったことも影響があったようです。

隣接地の所有者と相隣関係で問題があり、境界の合意が難しくて境界確定が成立しない案件はありますが、今回のように些細な理由でも境界確定が頓挫してしまうケースがあることは、不動産売却をするうえで十分に知っておく必要があります。境界確定はすべての隣接地の所有者の協力がなければ成立しません。

境界確定についての事例

協力が得られず境界確定が期日に間に合わない、成立しない場合を想定しておく

はぎわら不動産㈱では、売買契約締結時に境界が確定しておらず、契約締結から引き渡しまでに境界確定を行うときには、境界確定が成立しない場合があること、期日までに間に合わないことがあることを説明し、そのための特約を条文に記載しています。「引渡し日までに売主の責任で境界確定を行う」というだけの取り決めでは、境界確定が成立しなかった場合、売主の債務不履行責任となってしまいます。

今回のケースでは、協力が得られず境界が確定しない可能性があること、確定しても面積が狭くなる可能性があること、期日までに間に合わない可能性があることを買主に説明し、売主の責任ではない理由で境界確定が引渡し日までに成立しない場合でも、その事情を買主へ説明して決済・引渡しを行うことを契約書に記載しておいたので問題は起きませんでした。境界ポイントに対して異議があるわけでもなかったので事情を説明したら買主には納得してもらえました。

今回のように協力が得られず境界確定が進まない場合には、筆界特定制度の利用又は筆界確定訴訟の提起という方法があるようですが、費用負担や期間を考えると現実的ではありませんでした。

不動産売買では、宅建業者に任せているから、土地家屋調査士の先生に任せているから、と安易に進めていると、結局は売主の責任になってしまうことがあるので注意が必要です。

境界が確定していない土地を売却する方は、契約前に境界確定を進めておくことをお勧めします。契約締結後から引き渡しまでに境界確定を行う場合は、売買契約書に境界確定が成立しない場合や、期日までに間に合わない場合の取り決めを記載しておくことが重要です。

 

~鈴鹿市で土地売却・空き家売却、中古住宅売却をご検討の方は、はぎわら不動産㈱へお気軽にお問い合わせください~

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